いちご狩りを予約する

「余所者」から「地域のパートナー」へ。B型事業所が農家を助ける「作業受託」のすすめ

「自分たちの農園をどう成長させるか」という視点に加え、今注目されているのが「地域の農業者を助ける」という働き方です。就労継続支援B型事業所にとって、これは単なる作業の確保以上に、地域社会での信頼を勝ち取るための「最強のパス」になります。

今回は、自社経営とは異なる「作業受託型(施設外就労)」のメリットと、その具体的な進め方について解説します。

1. 「助ける仕事」は立派なビジネスモデルになる

農家さんの作業を代行する働き方は、福祉の世界では「施設外就労」や「作業受託型」と呼ばれます。これは立派な業務委託契約として成立します。

  • 収益の構造:農家から「除草1反あたり〇〇円」「出荷調整1コンテナあたり〇〇円」といった委託料をいただきます。これが利用者さんの工賃の原資となります。
  • 事業所のメリット:自社で農地を所有・管理する固定費や不作のリスクを負わずに、農業という職域を確保できます。
  • 農家のメリット:人手不足で手が回らない「周辺作業」を、安価かつ丁寧に行ってくれる組織的なパートナーを得られます。

2. 「余所者」の壁を壊す最強の武器

外部から来た事業所が「農地を貸してほしい」と頼んでも、地域の方からすれば「どんな人たちが何をするのか」という不安が先行しがちです。しかし、この「助ける仕事」はその力学を逆転させます。

【アプローチの転換】
×「土地を貸してください」
○「人手が足りなくて困っている作業はありませんか?私たちがチームで助けに行きます」

「助けてもらった恩」ができることで、地域コミュニティ内での評価は一気に変わります。真面目に働く姿が近隣農家の目に留まれば、やがて「あそこの土地も管理してくれないか」という相談が向こうから舞い込んでくるようになります。

3. 20名のマンパワーを活かせる「農家が喜ぶ作業」リスト

20人という規模があれば、個人農家では数日かかる作業を短時間で終わらせることができます。特にニーズが高いのは以下の4つです。

  • 除草・草刈り:農家が最も苦しんでいる作業です。20人で一気にきれいにした際のインパクトは絶大です。
  • 農地の片付け:シーズン終わりのマルチ剥がしや、支柱の撤去・運搬。
  • 出荷調整(選別・袋詰め):農家が深夜まで行っている選別作業を代行します。日陰や室内での作業が確保できるため、天候リスクも分散できます。
  • 耕作放棄地の再生:荒れ果てた土地を、福祉の力で再び「農地」に戻す。これは地域に対する最大級の貢献です。

4. 仕事として成り立たせるための2つのコツ

持続可能な関係を築くために、以下のポイントを意識してください。

① 適正価格での契約
「福祉だから激安」にしてしまうと、地域のシルバー人材センター等と競合し、逆に反感を買うことがあります。「丁寧さ」や「チームの機動力」を売りにして、地域相場に準じた適正な値決めを目指しましょう。

② 「福祉の論理」だけで動かない
農家にとっては「納期」と「品質」が命です。利用者の体調で作業が遅れる可能性がある場合は、事前にスタッフがカバーするなどのバックアップ体制を明確にし、プロとしての信頼を担保することが不可欠です。


まとめ:生駒の農業を支える存在へ

最初は小さな「草むしり」からかもしれません。しかし、その積み重ねが「大阪の事業所」という看板を「地域の農業を支えるパートナー」へと塗り替えていきます。地域を助けることは、巡り巡って自分たちの事業所を守ることに繋がるのです。