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害虫防除資料:ホコリダニの生態と対策について

お疲れ様です。
今回は、当園で実際に被害が発生し、収穫にも大きな影響を及ぼした「ホコリダニ」について共有します。


1. ホコリダニとは何か?(正体と特徴)

ホコリダニ(主にチャノホコリダニ)は、体長わずか0.2mmほどの非常に小さな害虫です。最大の特徴は、「肉眼では絶対に見えない」ことです。

彼らは、いちごの最も柔らかい部分である「新芽(成長点)」や「花のつぼみ」を好んで吸汁します。そのため、被害が出ると新しい葉が展開しなくなったり、花が咲かなくなったりと、株の成長そのものが止まってしまいます。

2. 当園での実例:アザミウマとの誤認と被害

以前、当園で果実が変色し、表面が硬くなる症状が出た際、当初は「アザミウマ(スリップス)」の被害だと判断してしまいました。しかし、実際にはホコリダニによる加害でした。

  • 売れなくなる果実: 粒が茶色く変色し、表面がプラスチックのようにカチカチになります。こうなると、当然売り物にはなりません。
  • 判断の遅れ: 「虫が見えない」ために判断を誤り、対応が後手に回ると、多くの果実を廃棄する結果になってしまう危険性があります。

3. 防除の経緯と「薬の使い分け」の重要性

当園では、天敵製剤「チリカワーカー」や「ダニサラバ」を使用しましたが、それでもホコリダニを抑えきることができませんでした。ここに重要な教訓があります。

【重要】ダニサラバについて:
実は、ダニサラバは「ハダニ」には非常に強力ですが、「ホコリダニ」にはほとんど効果がありません。「ダニの薬を撒いているから大丈夫」という思い込みが、ホコリダニの被害を広げる原因になってしまいます。

ホコリダニに対しては、専用の薬剤を選択する必要があります。

現在推奨している薬剤・天敵

  • スターマイト・カネマイト・コロマイト: これらはホコリダニに対してもしっかりとした効果が期待できます。被害がひどい場合はこれらを散布します。
  • メリトップ(追加導入): アザミウマ対策がメインですが、予防としてホコリダニにも一定の効果があります。ただし、被害が拡大した後の「治療」には向きません。

4. ハダニとの決定的な違い(ウイルスと細菌の関係)

スタッフの皆さんは、ホコリダニとハダニを「ウイルス(ホコリダニ)」と「細菌(ハダニ)」くらい別物だと考えてください。

  • 見えなさ: ハダニは赤い点として肉眼で見えますが、ホコリダニは見えません。
  • 場所: ハダニは古い葉の裏にいますが、ホコリダニは真ん中の新芽を狙います。
  • 対策: 細菌に効く抗生剤がウイルスに効かないように、ハダニ用の薬(ダニサラバ等)がホコリダニには効かないことを覚えておいてください。

5. スタッフの皆さんへのお願い

ホコリダニ対策は「早期発見」がすべてです。天敵(メリトップ等)を入れていますが、被害がひどい場合には、即座に強力な農薬への切り替えが必要です。

  • 「アザミウマかな?」と思っても報告: 実の変色や、新芽の縮れを見つけたらすぐに共有してください。
  • 違和感を大切にする: 「虫は見えないけれど、真ん中の芽が伸びない」「実の表面がザラついてきた」という異変を見逃さないでください。

皆さんの鋭い観察眼が、オアシスファーム町田のいちごを守ります。少しでも「変だな?」と思ったら、遠慮なく教えてください!